映画『ナラタージュ」のキーポイントは靴…?映画の裏話や女性ならではの恋愛観に迫る!
過去に「この恋愛小説がすごい」1位に輝いた原作の映画化。話題の恋愛映画『ナラタージュ』の特別試写会にラボ生が参加
女性限定恋愛トークショー付き試写イベント
島本理生先生原作の恋愛小説『ナラタージュ』が主演に嵐・松本潤さん、有村架純さんを迎え、撮影された同名映画の恋愛トークショー付き試写会(映画の公開は10月7日)が実施された。イベントには、本作の監督を務めた行定勲監督とコラムニストの辛酸なめ子さん、MCに女装パフォーマーのブルボンヌさんが登壇。イベント名通り、映画の試写だけでなく、上映後には来場者を交えたトークショーが行われた。今回は、ラボ生もイベントの観客として試写鑑賞や恋愛相談に参加した。
多様な恋愛観が描かれているこの作品、最も共感できる登場人物は?
公開前から話題を呼んでいた映画『ナラタージュ』をさらに盛り上げるために行われた今回のイベント。会場の女性たちが特に注目を集めたのが登場人物に関する話題だった。「最も共感できる登場人物は?」という質問に来場者の半数以上が有村架純さん演じる泉に挙手する一方、行定監督と辛酸さんは松本潤さん演じる葉山だと答える。辛酸さんは葉山のキャラクターに対してずるさを覚えたそうだ。行定監督も辛酸さんに続いて、感情を見せずに自分が取る行動は決して変えない頑固さを持つ葉山の意外な人物像を解説した。また、ブルボンヌさんは、坂口健太郎演じる小野の好きな人に対して強い執着心を持つという恋愛観に思わず共感してしまい、響くところがあったと答えた。
行定監督は、葉山の人物像を語るとともに、キャスティングの裏話もしてくれた。葉山の感情を見せない独特の雰囲気を出すために“嵐の松本潤をなくす”ことを松本さんに期待していたそうで、本人からは「それ、俺じゃなくてもいいってことですよね、でも面白い」というやりとりの後、出演が決まったそうだ。
幅広い世代の女性が集まるイベントならではの恋愛相談会!!
女性限定試写イベントということで、私たちラボ生を含めた来場者からの恋愛相談会が行われた。「結婚と恋愛の違いは?」という質問が、このトークショーに大きな盛り上がりを見せた。行定監督は、結婚と恋愛が違うことを強調したうえで、泉と恋愛関係に発展する小野が靴職人を目指すという映画オリジナルの設定を例に挙げた。靴と恋愛は似ていて、小野は靴を与える側だが、それを拒否して裸足になる権利が泉にはあるという。また、靴は、自分にピッタリなサイズ感だと思って履いていても必ず靴擦れすることがあり、靴擦れをしても気に入った靴は履き続けるが、気に入らなかったら捨ててしまう。気に入った靴を履き続けることが結婚に値するのだという監督の言葉に会場全体が感激した。
今までの恋愛映画とは一味違う映画『ナラタージュ』の魅力
雨やシャワーなど“水”にまつわる演出が多かった本作に対し、辛酸さんは「湿度の高い映画だった」と絶賛していた。行定監督は「時間をおいてもう一度観ることで理解できるようになる」と話しており、大人の恋愛をまだ身近に感じることのない私たちの世代にとっては、大人になってからもう一度観たくなる映画であると感じた。簡単には理解できない大人の恋愛が描かれた複雑さこそが、映画『ナラタージュ』の魅力なのだろう。普段友人と話すいわゆる恋バナとは異なる大人の恋愛観を知ることができただけではなく、映画の現場で活躍する方の話を聞くという貴重な経験ができた。今回の経験を糧に現場の生の声を参考にし、学生ならではの視点を生かすことで、今後のラボ活動をより充実させたい。