JTB北海道 ちょっと暮らし体験

2017年8月7日〜10日

北海道せたな2

自然と食の宝庫、北海道檜山郡へ!

8月上旬、地方創生を目的とした滞在型ツアー開発のために、JTB北海道の方と共に檜山郡を訪れた。

なにもない地に観光客を。

今回は、檜山郡北西部に位置する今金町とせたな町を視察。函館から2時間以上かかるこの地は、車が必需品。電車はおろか、バスやタクシーさえほとんど通っていない。また、年々少子高齢化が進み、人口も減少している。だが、ラボ生はそれを超える楽しさや心地よさを感じることができた。この地のきれいな水、土、空気、そして地元の方たちと協力すれば、長期的なツアー化も実現可能だと考えられる。

自然の恵みと人々のあたたかさを感じた3泊4日。


今金町とせたな町には、有名な観光地は無く、あるのは大自然と新鮮な食べ物。だがそれは、どこでも簡単に手に入るものではない。長い年月をかけて今も残り続けているのだ日本一の水質を誇る後志利別川(しりべしとしべつがわ)や、大草原が広がる愛指令ランド、せたな町に広がる海で絶景を目にし、ラボ生は皆感動。有機栽培にこだわった食材でBBQも行い、おいしい採れたて野菜を堪能した。また、町民の方は、私たちを笑顔で迎え入れてくれて、町の話をたくさん聞かせてくれた。
ここでしか味わえない豊かな自然と町民のあたたかさは、目まぐるしい日常を忘れさせてくれたに違いない。

感動、喜び、楽しさの連続!

今回の旅で一番ラボ生の心に残っているのは、広大な敷地に広がる大自然。その一つは今金町の愛指令ランドである。人工芝はどこにもなく、野原が広がる大きな公園には草花が咲き乱れている。写真に写るのは緑の大草原と青空。まるで絵に出てくるかのような景色に、ラボ生たちも心を躍らせた。愛指令ランドではBBQ・ピクニックを行い、自分たちで収穫した野菜を使ってピザを作った。有機栽培にこだわった野菜は、東京で見る野菜より一回り大きく、収穫用の袋もすぐにパンパンになってしまうほど。オーガニック食材のおいしさを堪能し、大満足のピクニックとなった。


 


また、日本で一番きれいな水が流れる後志利別川ではラフティングを敢行。左右に広がる緑が生い茂った木々と、どこまでも続く川の景色は圧巻。そこで聞こえる音は風が吹く音、水が流れる音、そして野鳥の鳴き声のみ。生き物の音しか聞こえないこの地は、東京とは別世界だった。


 


最終日はせたな町青少年旅行村に設置されているケビンに宿泊。ラボ生以外にも宿泊者がおり、その方はこのケビンに泊まるために来たと話していた。立象山の頂上に作られたこのキャンプ場は、展望台から海、山、田んぼが広がる檜山地区を360度見渡すことができる。どこまでも広がる日本海と山々の景色にラボ生も言葉を失っていた。五感全てを使って雄大な自然と絶景を感じることができた。


 

人の心をつなぐ「めぐり花」

今回のツアーでは、町民の方々と触れ合う機会が多かったが、一緒に何かをすることはなかった。3日目に行った「めぐり花」というイベントでは、今金・せたな町の方とラボ生皆で花を生け、初めて町民の方と共同作業をした。


そもそも「めぐり花」とは何か。ふつう生け花をするときは、1人で花を花瓶にさし、オリジナルの作品を作っていく。だがこのイベントは、1人で生けるのではなく、皆で生けていくことが大事なポイント。順番に一人ずつ花を選び、好きな花瓶に花をさす。それを繰り返しながらだんだんと完成に近づけていくのが「めぐり花」の醍醐味なのである。


ラボ生は前日に今金町で花や木々の葉を採集し、水揚げという作業を行った。これにより、切った花でも2~3日は長持ちするという。


 


最初花を花瓶に入れたときは、「これは完成するのだろうか。良いものが出来上がるのだろうか」と不安に感じた。また、会ったばかりの人とこういう作業をするのは初めてだったので、戸惑いも隠せなかった。だが、花を持つ人みんなが、目の前の作品を見て、「何を目立たせよう」「どこに飾れば隠れないかなまわりが」と考えながら生けていくので、後半になるにつれてきれいな色合いになり、バランスもとれていた。無意識のうちに周りに気配りし、協調性を大事にしながら取り組む姿からは、人々の心の温かさが感じられた。自分たちが野原で採った草花たちが、無防備な姿から美しい作品に変化していく姿を見て、達成感と喜びを味わうことができた。


ここからがスタート。

私たちの北海道プロジェクトは、3泊4日のモニターツアーで終わらない。この旅で得たものをヒントにして、ツアー開発をしていくことが一番の課題なのだ。現在ラボ生は、今金・せたな町の良さである大自然を最大限に味わえるプランをつくるために、様々なアイディアを出している。良いところばかりでなく問題点と向き合いながら、一つ一つの課題をクリアしていくことが成功の近道。試行錯誤を繰り返していけば、だんだんと多くの人が来たいと思えるツアープランに近づくだろう。わたしたちの活動はこれからが本番だ。


 

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